山形のお米

盆地型の気象と適地適作の相乗効果で、おいしい米がつくられています。

山形は北から最上、村山、置賜の各盆地によって構成され、おいしい米作りに適した盆地方生育環境の集合体となっています。

高度な栽培技術と豊かな水の恵み

山形では四方を山々に囲まれた地形で、稲が生育する春から秋にかけて、山の養分をたっぷり含んだ清流が各地の田んぼを潤します。登熟まで絶えることのない豊富な水の恵み、そして品種特性を十分に引き出す高度な栽培技術により、山形米の成長を支えています。

米づくりに適した山形の自然

山形の冬、深々と降る雪は、里や山々や峰々を白一色に染めます。出羽三山の主峰、月山にはひと冬に10mも積もるという。

やがて、春の訪れとともに、雪解けの一滴一滴の水は幾条もの流れとなって、山形の母なる川「最上川」へと注ぎます。

芭蕉の名句、「さみだれをあつめて早し最上川」は、米沢、山形、新庄の各盆地を流れ、豊穣な庄内平野を潤し、夕映えの日本海に出ます。「暑き日を海に入れたり最上川」。

雪の恵みがもたらす最上川の豊かで清冽な水は、流域の人々の暮らしと広大な水田に恩恵をもたらしています。"山形の米"は降り積もる雪に育まれている、といっても過言ではありません。

山形の夏、山形市を中心とする村山地方、米沢市を中心とする置賜地方は、最高気温は高く、最低気温は低いという、典型的な盆地型気象です。昭和8年7月24日には、最高気温40.8℃を記録しました。一方、日本海沿岸の庄内地方は、日照時間が多く、最上川峡谷からの「清川ダシ」と呼ばれる東風が吹きます。

山形市と仙台市の稲作期間の気温と日照時間を比較してみましょう。両市の気温経過をみると、5月はほとんど違いがありません。6月に入ると山形市が1℃ほど高くなります。7月に入るとその違いはさらに広がります。8月に入ると再び違いがなくなり、9月は仙台市が高くなります。日照時間は山形市が明らかに多いことがわかります。酒田市と比較すると
その違いは一層はっきりします。

すなわち、山形の米づくりは、生育の最も大切な時期を、高温多照の気象条件で経過するのです。

稲作期間の気象条件の違いは、そのまま両県の単収に反映し、平年単収は山形県が594kgであるのに対し、宮城県は530kg(平成19年)です。
奥羽山脈の衝立は、冷害をもたらす太平洋から吹き込むヤマセを防ぎ、60kg近くもの収量を山形県にもたらしているのです。

まさに、山形県は米づくりには最適な自然条件に恵まれているといえましょう。